6月から死にたいが悪化した。
死にたいというか、誕生日前日にぜったい死ぬんだに変わっていた。練炭とテントでもできると調べて、あとは場所探しだと思ったが、暑くて無理じゃん、どうしようと調べなおしたりしていた。
主治医に話したら抗うつ薬が処方された。数日で死にたい気持ちが軽減した。
 
その日、寝る前の薬を飲んだけど、ねむれなかった。お酒が飲みたくなった。コンビニでビール風とおつまみを買って飲み始めた。とても気分がよかった。明日からがんばろうと思った。部屋を片づけようと思った。
ビール風3本目くらいで何もかもどうでもよくなってきた。あんまり覚えていないんだけど、投げやりな気持ちになったんだと思う。
処方が変わって70錠くらいあまっていた薬を飲んだ。その量で死ぬわけはないとかるい気持ちで飲んだ。
ぜんぶ飲んだあと、心配になった。いつもそうだ。飲んだあとに心配になる。飲んでいる途中でもいいからなぜ、気づけないのか。主治医に「わかっているはずだ」と言われるが、自分がなぜそれをしてしまうのか、わからないと思っている。実年齢を考えてつらくなる。
救急相談ダイヤルのようなところに電話して話したら「すぐに救急車を呼んでください」と言われる。すぱんくんにLINEしたら「飲んだ薬のシートを持っていきなさい」と言われる。

救急車を呼んで、次に気づくと朝焼けで、アパートの前の空を見ながら事情を説明していた。大家さんに見られてたら聞こえてたら、住めなくなるかなと思った。
病院に着いてからは身体がむずむずする感覚があり、何度か叫んだりあばれたりした。やたらわたしの名前を聞いてくる人がいて、病院の方針でその方法で意識を確認するんだけど、それにしてもあまりに何度も聞いてくるのでキレた記憶があるけど、薬による幻聴もあったのかもしれない。
「胃洗浄しますか?」と聞かれて、今回飲んでる量が少ないし、胃洗浄はつらいので「しません」と答えた。

目が覚めるとICUにいた。身体は固定されていた。おしっこの管が通されておむつだった。酸素の管も鼻にくっつけられていた。自分はたいしたことないのにここにいると思う。いろんな機械の音がする。しゃべれる患者さんはわたし含め3人だけいる。
水を飲む許可が降りなくて、大きい綿棒に水をひたしたもので舌をぬらすだけで、すぐに舌がカラカラになった。
すぱんくんが来てくれた。ねむくて仕方なくて目を長い時間開けていられないし、うまくしゃべれなかった。
水のことばかり考えているうち、看護師さんに上半身を起こされて、水を飲む許可が降りたことを伝えられて、ぬるい紙コップの水道水を飲んだらほんとうにおいしかった。もう一杯飲みますかと聞かれたが、飲みたいのにおなかいっぱいだった。
心電図の結果がよくなくて退院が延びた。目がうまく開けられずねむってばかりいた。
 
次の日、おしっこの管がはずされて、なんとか歩けるようになったので、ICUから普通の大部屋に移動した。向かいが小学生の男の子で、はしゃぎすぎるその子とお見舞いにきたおばあちゃんが話すのを聞いていた。
夕食の許可が降りて、来た食事はすべてゲル状のもので、緑色のそれは生臭くて残したが、あとから看護師さんに聞くとほうれんそうのおひたしだと言っていて、こんなにまずくなるんだなと思った。ばあちゃんはこれを毎日食べてるから食欲なくなっちゃったのかなと思った。(つづく)